子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

頭蓋内出血の症状と治療および予防法

頭蓋骨の中で発生する出血のすべてを含めて頭蓋内出血といいます。出血する部位によって、硬膜外出血、硬膜下出血、くも膜下出血、脳内出血などに分けられます。

【発生機転】脳が動いて血管が切れる

頭部に強い衝撃が加わることにより、頭蓋内のどこかで血管が切れて出血が起こります。スポーツ中に起こる頭蓋内出血の代表的なものは、脳の表面と硬膜(頭蓋骨の内側を覆う膜)との間をつなぐ架橋静脈に起きます。頭部に衝撃が加わり頭蓋骨が急激に回転すると、硬膜と脳のずれが大きくなります。そのため、架橋静脈が引っ張られて切れ、硬膜下に出血が起こるのです。

頭部に硬い物体が衝突して起こる頭蓋内出血では、頭蓋骨の骨折を伴うこともあります。この場合には、硬膜外出血という形をとります。最も重篤なのは、頭蓋骨骨折とともに、脳そのものに損傷を受ける脳挫傷を伴うものです。これは投てきのハンマーの衝突などで起こります。

まれに、頭部への衝撃がないにもかかわらず、スポーツ中に脳内出血が起こることがあります。こうした例の中には、もともとあった脳の血管の動脈瘤が競技中の血圧上昇で破裂したと思われるものや、生まれつきの脳血管の奇形などが原因となるものが含まれています。

【症状】時間の経過とともに悪化する

頭部に衝撃を受けた直後から、意識がないとは限りません。最初は応答可能な状態ですが、時間経過とともに悪化し、激しい頭痛、嘔吐、意識消失と、進行する場合があります。これらの症状は、出血の量が増えることにより、頭蓋骨内で脳が圧迫されることによって起こります。出血が少ないと症状の出現が遅れることがありますが、ほとんどの場合、数分から数時間以内に現れます。

【診断】CTやMRIで出血を確認する

現場で症状の経過を観察し、CTやMRIで出血を確認して診断します。

【治療】血腫があれば取り除く手術

頭蓋内出血が凝われる場合には、吐いたもので気道が詰まらないように昏睡体位を取らせ、救急車を待ちます。

出血がたまって血腫ができている場合には、脳の圧迫を軽減させるため、血腫を取り除く手術が行われます。この治療は時間が勝負となります。時間が経って血腫が大きくなり、脳の損f葛が大きくなると、回復できる程度にも限界があるからです。

【予防】脳の異常の有無をチェックする

タックルや受け身など競技の基本動作を習得することや、頚部の筋力強化に取り組むことが予防に役立ちます。

また、ボクシング、ラグビー、アメリカンフットボールなど、頭蓋内出血の危険性が高い競技の選手は、透明中隔嚢(脳の中央部分に異常な空洞がある)や、くも膜嚢腫(くも膜に液のたまった袋がある)といった異常がないことをチェックします。異常が発見された場合には、これらの競技を行うのは好ましくありません。

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