子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

前十字靭帯損傷の症状と治療および予防法

前十字靭帯損傷の症状と治療および予防法

膝関節には、関節の周囲だけでなく、関節内部にも靭帯が存在し、関節の安定化に役立っています。特に方向転換の
ような複雑な動きは、関節内の靭帯による支持性がないと行うことができません。

前十字靭帯損傷は、スポーツ医学の発展を象徴する歴史を持っています。半世紀前には、関節の内部を検査する手段がありませんでした、そのため、膝のケガをしたあと、関節の不安定性力が残る原因が解明できなかったのです。しかし、関節鏡が発達し、関節を大きく切開することなく内部を検査できるようになったことで、前十字靭帯損傷と膝の不安定性との関連が明らかになってきました。それにより、診断方法、治療方法が進歩したのです。診断には、M
RIの進歩も役立っています。

前十字靭帯損傷の原因:接触や方向転換動作が原因

接触型損傷と非接触型損傷に大別されます。接触型損傷は、ラグビーのタックルのように、他の選手との接触による外部からのカが膝に加わることで起こります。

主に横からのカで膝が内側に曲げられたり(外反)、まっすぐの状態から逆に反らされたり(過伸展)することで損傷が起こります。

非接触型損傷は、本人の動作だけで起こるものです、急停止や方向転換の動作、着地動作などで損傷が生じます。

前十字靭帯損傷の症状:徐々に起こる腫れや曲げにくさ、ぐらつき

損傷を受けた直後は、前十字靭帯そのものの痛みは軽いのですが、関節内に血液がたまると徐々に関節の腫れや曲げにくさを自覚するようになりますっこれらの急性症状が落ち着いたあと、いろいろな動作をしてみると、ダッシュなどの直線方向の運動は問題なくできますが、急停止や方向転換などで膝のぐらつきを感じます。このぐらつきは、大腿骨と脛骨の間での回旋亜脱臼現象によるものです。

前十字靭帯損傷の診断:膝関節のぐらつきを調べる

膝の徒手テストで、前後方向と回旋方向に不安定性があるかどうかを調べます。不安定性か確認でき、膝のぐらつきに関する病歴がわかれば、それでほば診断がつきます。ただ、確定診断のためには、靭帯が切れていることを確認する必要があります。以前は関節鏡で調べましたが、最近はMRIで確認できます。

前十字靭帯損傷の治療法:靭帯を再建する手術もある

関節の不安定性によって競技の動作ができないのであれば、なんらかの方法で関節を安定させる必要があります。

1つの方法は、テーピングやプレースを用いる方法です。動きが複雑でない場合には、これだけで不安定感がなくなる可能性もあります。しかし、速く走りながらの方向転換などでは安定せず、ぐらつきを繰り返してしまいます。その場合には、靭帯を作り直すことになります。

膝の近くにある腱を使って、本来の前十字靭帯の位置に代わりの靭帯を作る靭帯再建という手術が行われています。
代わりの靭帯の材料となる腱には、ハムストリングを構成する筋肉の1つである半腱様筋の腱か、あるいは膝蓋腱が使われます。

これらの腱は、やがて再生することか最近の研究で明らかにされています。

靭帯を再建しても、すぐにスポーツができるわけではありません。膝閔節の勅きや筋力を徐々に回復させ、ジョギングは3ヵ月で、接触のないスポーツなら6ヵ月で、ラグビ一など衝突の起きるスポーツは9~12ヵ月で復帰となります。

前十字靭帯損傷の予防法:トレー二ングで防ぐ

予防のためのトレーニングが考案され、現場で用いられています、具体的には、着地動作で膝を危険のない位置にすることを身につけたり、下肢と体幹部を支える筋力を強化したりするトレー二ングです。



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