子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

後十字靭帯損傷の症状と治療および予防法

後十字靭帯損傷の症状と治療および予防法

後十字靭帯は、前十字靭帯と同様に膝関節の内部に存在する靭帯です。この靭帯は膝関節の後方にあり、前方から見ると、関節の内儀上方からやや外側下方へとつながっています。

主な機能は、大腿骨と脛骨をつなぎ、脛骨が後ろにずれないように支持することにあります。回旋方向に対して支持する役割は、前十字靭帯ほどではないようです。

後十字靭帯損傷の原因:転倒して膝から落ちたとき

ラグビー、アメリカンフットボール、サッカーなど、他の選手との接触や衝突が起こるスポーツで多く見られます。転倒して膝から地面に落ちたときに発生することが多いようです。

膝から落ちたような場合、実際には、脛骨の上端部が地面によって強打されます。そのため、大腿骨に対して脛骨が後方に押し込まれてしまうことで、大腿骨と脛骨をつないでいる後十字靭帯が損傷を受けると考えられています、他の選手との衝突によって、膝が内側に曲がったり(外反)、外側に曲がったり(内反)しても、後十字靭郡が損傷を受けることはあまりありません。ただ、膝がまっすぐの状態から逆側に反らされる(過伸展)ようにカが加わった
場合には、前十字靭帯とともに損傷を受ける複合損傷として、後十字靭帯も損傷を受けることがあります。

後十字靭帯損傷の症状:脛骨が後方にずれる

関節の内部にある靭帯なので、損傷を受けた直後には、あまり特徴的な症状は現れません。少し時間が経過して、関節内に出血した血液がたまってくると、徐々に閔節が腫れ、曲がりにくくなってきます。これは前十字靭帯損傷の場合と同じです。

急性期を過ぎて運動を始めると、ストップするときに、膝が前後にぐらつくような不安定性を感じるようになります。

また、膝を立てた状態で座っだときに、脛骨が後ろに落ちたように見えるのが後十字靭帯損傷の特徴です。このと
き、後十字靭帯の支えがなくなった脛骨は、実際に後方にずれています。

後十字靭帯損傷の診断:病歴と徒手テストで診断

転倒して膝から落ちたという事実があることと、徒手テストで見られる脛骨が後方に沈む兆候によって、多くの場合は診断が可能です。

確定診断のためには、後十字靭帯の状態を調べる必要があり、MRIによる画像検査が行われます。完全断裂の場合
には、靭帯の上端が本来の付着部から離れているのがわかります。部分断裂の場合には、靭帯全体の走る方向は変わりませんが、画像上の靭帯の色合いが白く、腫れた状態に見えます。

後十字靭帯損傷の治療法:基本的に手術は行わない

基本的には保存療法で対応します 具体的には、テーピングやサポーター類によって、脛骨の後方へのずれを抑制します 後十字靭帯損傷用のサポーターやプレースも販売されています。大部分の選手は、これらを利用することにより、大きな支障なくプレーが可能になっています。

テーピングやサボーター類を使っても関節の不安定性か改善せず、そのためにスポーツに支障をきたしている場合に限り、手術が行われます、手4新方法は前十字靭帯損傷の場合と同様で、切れた靭帯を再建する手術になります。

後十字靭帯損傷の予防:効果の確実な方法はない

 多くは不可抗カによる転倒などにより発生するため、予防するのは困難だと考えられています。予防的にサポーターやプレースを使用することに関しては、その効果を証明するエビデンス(科学的な根拠)はありません。

前十字靭帯開幕を予防するトレーニングプログラムは、膝全体の損傷防止という意味で役立つかもしれません。



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