子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

梨状筋症候群の症状と治療および予防法

梨状筋症候群の症状と治療および予防法

梨状筋という名前は、一般的にはあまり知られていませんが、最近のスポーツ界では、この筋肉に関係する障害が増加しています。梨状筋は賢部にある筋肉です。賢部の大部分は大賢筋に覆われていますが、それよりも深い部分に位置しています。股関節を外側に回す(外旋)働きを受け持つでいます。立つだ姿勢でつま先や膝を外側に向ける運動が外旋です。また、股関節の後方の壁として、関節を安定させるインナーマッスルとしての働きもしています。

この梨状筋の下側を坐骨神経が通つています。坐骨神経は狭い隙間を通つで大腿部
へと下降していくため、梨状筋が坐骨神経を圧迫してしまうことがあります。このようにして坐骨神経に症状が生じる場合を、梨状筋症候群と呼んでいます。

梨状筋症候群の原因:梨状筋の疲労が関係している

なぜ梨状筋症候群が発生するのか、まだよくわかっていません。その症状がよく見られるのは、ランニングを主たるトレーニング手段としている選手たちです。当然、陸上競技の選手が多くなります。

梨状筋症候群の症状を持つ選手を調べると、梨状筋が硬くなり、柔軟性が失われています。こうしたことから、梨状筋を疲労させるなんらかの動きが、梨状筋症候群の発生に関係していると考えられています。ランニング動作のバイオメカニクスの観点からの研究が行われていますが、現時点では、まだ結論が出ていません。

梨状筋症候群の症状:臀部・大腿後面の痛みやしびれ

患側の瞥部から大腿後面にかけて、痛みがある、重だるい、しびれる、脚にカが入らないといった症状が現れます。椎間板ヘルニアで見られるような典型的な筋力低下や知覚低下は、多くの場合見られません。

その他、走つているときにカが抜ける、不安定な足運びになるなど、選手の訴えは多様です。いすに長時同座つでいると症状が出て患部を浮かせたくなる、という訴えもしばしばあります。

梨状筋症候群の診断:症状や筋力低下を参考にする

前述した自覚症状、梨状筋の圧痛、柔軟性低下(股関節の内旋可動域の低下)、股関節を外旋させる筋力朗氏下、内旋を強制することによる症状の再現などを参考に診断します。MRIなどの画像検査も行われます。梨状筋症候群と診断するためには、椎間板ヘルニアでないことを確認することが重要で、そのためには腰椎の検査が必要です。梨状筋そのものは、画像上あまり変化が見られないことが多く、ほとんどの場合、確定診断の決め手にはなりません。 

梨状筋症候群の治療:腎部の筋肉の柔軟性を高める

運動をしてもいいかどうかは、ランニング中のどのような状態で症状が発生するかによって異なります。走ると常に痛み、重だるさ、力の入りにくさが現れる場合は、走ることを中止する必要があります。最初は問題ないが、筋肉に疲労がたまるトレーニング後半に症状が出る場合には、症状が出ない限り運動は許可します。

治療としては、原因となっでいる梨状筋を含めた瞥部の筋肉の柔軟性を向上させます。そのために、ストレッチングを行います。梨状筋のストレッチングは1人で行うのが灘しいので、うまくできないようであれば協カ者のサポートを受けて行います。

ストレッチングで改善が見られず、症状が悪化してしまう場合には、梨状筋と坐骨神経の交差する部位に炎症止めを注射します。この注射をブロック注射といいます。

慢性で長期化した重症例に対し、梨状筋を切つて坐骨神経への圧迫を緩める手術を行うこともあると報告されています。

梨状筋症候群の予防:腎部の筋肉に疲労をためない

梨状筋症候群の発生メカニズムに関する研究が行われていますが、まだはっきりした危険因子はわかっていません。そのため、根拠のある予防法はありません。ただ、臀部や大腿部の筋肉に疲労を蓄積させないように手入れしたり、疲労を管理したりすることが有効と考えられています。



Return Top