子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

股関節脱臼の症状と治療および予防法

股関節脱臼の症状と治療および予防法

股関節は、骨盤の両側にある寛骨臼蓋という深いくばみと、大腿骨の上端の丸い骨頭で構成される関節です。深く組み合っているため、非常に安定しています。また、周囲には、腎筋、ハムストリング、大腿直筋、内転筋など、強いカを発揮する大きな筋肉がそろっていて、股閔節をしっかり取り囲んでいます。

そのため、肩関節のように、簡単に脱臼が起きることはありません。ただし、股関節に加わる力が非常に強い場合や、股関節がはずれやすい方向にカが働いた場合には、脱臼が発生することがあります。

股関節脱臼の原因:下から突き上げる力で起こる

股関節が脱臼しやすいのは、大腿骨が内転(脚を閉じる)し、内旋(つま先が内側を向くようにひねる)している場合です。骨盤と大腿骨がこのような位置閔係にあり、さらに大腿骨に下から突き上げるような力が加わると、大腿骨頭が後方にはずれて脱臼が起こります。

これまでに報告されている例としては、野球の走塁で、べースに足から滑り込んだときに起きた症例があります。守
備の選手に足から衝突し、股関節を突き上げる力が働き、脱臼が起きてしまったのです。

小中学校で、校庭に固定されたべースに勢いよく滑り込み、股関節脱臼が発生した例もあります。ベースが動かないため、股関節に下から突き上げるような力が加わってしまったのです。

また、ラグビーやアメリカンフットボールで、ジャンプしてボールをキャッチした選手が、空中でタックルされ、股関節脱臼が起きてしまっだケースもあります。いずれにしろ、深い臼蓋から骨頭がはずれるには、強大な力が加わっでいます。

股関節脱臼の症状:強い痛みと脱臼感がある

股関節から腎部にかけて強い痛みが起こり、脱臼感(閔節がはずれたという感じ)があります。股関節を曲げた位置で脚を動かせない状態になります。体重をかけることも、いつも通りに股関節を動かすこともできません。

股関節脱臼の診断:レントゲン撮影で確認する

股閔節に強し痛みがあり、動かすことができない場合には、骨折か脱臼を考えます。どちらにしても重大な障害なので、なるべく早く病院に運び、レントゲン撮影を受ける必嘆があります。レントゲン撮影によって、容易に診断できます。

股関節脱臼の治療方法:約1ヵ月の安静が必要

脱臼している股関節を整復する必要がありますが、関節が体の深い部分にあり、周囲にある筋肉の力が強いため、肩関節や肘関節の脱臼のように、現場で整復することは不可能です。したがって、なるべく早く病院に搬送し、麻酔をした状態で整復することになります。

はずれていた骨か整復されても、関節周囲の靭帯や関節包が損傷を受けているので、これが修復されるまでの約1ヵ月間は安静が必要です。

さらに、股閔節脱臼の場合、大腿骨頭に栄養を送っている血管が損傷を受けることがあります。この場合、大腿骨頭に送られる血液が不足し、大腿骨頭壊死という合併症を起こす危険があります。そのため、MRI検査によって、骨頭の血流が保たれているかどうかを確認していく必要があります。それによって、体重をかけ始める時期などを決定します。

大腿骨頭壊死に陥っでしまっだ場合には、骨頭の変形の程度により、適切な治療法を選択します。骨を移植する方法や人工骨頭を入れる方法などがあります。

股関節脱臼の予防方法:固定ベースを使わない

多くは不可抗力による予期しない発生であるため、これといった予防策はありません、ただ、野球で固定ベースが原因となることがあるので、股閔節脱臼を防ぐには、これを廃止することが望ましいでしょう。固定べースは股閔節脱臼以外にも、足関節の脱臼骨折などの原因にもなっています。



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