子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

関節唇損傷の症状と治療および予防法

関節唇は、肩関節の骨と骨の間に存在する軟骨のクッション組織です。膝関節にある半月板と同じ構造をしています。半月板も関節唇も、本来は関節の動きを助け、衝撃を吸収し、分散することで、関節の表面が傷つかないように守っているのです。

ところが、これらの軟骨のクッションが切れたりすると、逆に関節の表面を傷つけたり、動きを妨げてしまったりする原因となります。

【関節唇損傷の原因】タックルや転倒がきつかけに

肩関節は、肩甲骨と上腕骨がつながっています。肩甲骨に対する上腕骨の動きが限界を超えた場合、特に限界を超えたねじれや後方への動きが生じた場合に、関節唇が引っ張られて変形し、断裂などの才損傷が起こると考えられています。その他、肩の脱臼のときには、関節唇の前下方にしばしば断裂が起こります。

関節唇損傷は、転倒やタックルなどにより、一度に大きなカが加わったときにも生じます。また、投球動作やテニスのストロークなどにより、上腕骨のねじれや後方への動きが、何回も繰り返し行われることも原因になります。

【関節唇損傷の症状】引つかかる感覚や痛みがある

関節唇が損傷を受けると、肩関節の可動範囲が狭くなったり、関節を動かすときに、引っかかるような、つかえるような感党が起きたりします。当然、痛みも伴います。投球動作では、振りかぶってから腕が後方にねじられるときに、症状が出やすいようです。

そのため、速球が投げられなくなったり、遠投ができなくなったりします。関節唇が骨を支えられなくなると、脱臼しそうな不安感を自覚することもあります。

【関節唇損傷の診断】MRIで関節唇の切れ目を確認

腕を動かしたときに、関節の中で引っかかるような、つかえるような感党があり、特に外旋動作がしづらい場合には、この障害の可能性があります。

確定診断のためには、画像険査によって関節唇が損傷していることを確かめます。関節唇は軟骨なので、レントゲン撮影では写し出すことができません。そこで、通常はMRIによって、切れ目が生じているかどうかを確認します。

関節唇を損傷している選手は、腱板損傷を合併していることが多いので、MRIで両方を確認しておくことがすすめられます。

【関節唇損傷の治療】関節鏡手術で関節唇を縫う

関節唇が大きく切れたり、剥がれたりしている場合には、手術を行い、縫うか、切り取る必要があります。関節唇は深いところにあるため、利所は大変です。特に筋肉の発達した選手では、手術が難しいとされてきました。

ところが、最近は関節鏡(関節のための内視鏡)で見ながら、小さな切開口から手術器具を関節内に入れ、そこで切ったり、縫ったりすることが可能になりました。その結果、手術からスポーツ復帰まで、期間が短くなり、スムーズになってきました。

【関節唇損傷の予防】肩の負担を減らすフォーム

関節唇に無理なカが加わらないようにするには、肩甲骨の動きを大きく維持することが大切です。そうしておいても、転倒やタックルなどによって、肩関節をねじられるようにして起こる急性の関節唇損傷は、予防するのが困難です。

しかし、投球動作やテニスのストロークなど、繰り返し動作による関節唇損傷は、全身を使うようにすることが予防に役立ちます。正しいフォームを身につけたり、股関節や腰部の柔軟性を高めたりすることで、肩への負担を軽減することができるからです。

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