
手首の骨折は、子どもと高齢者に多いこ とが知られています。よく折れる骨は前腕 の親指側にある梗骨です。 特に手首に近い部位の骨折で、転倒時に 手のひらを着くことで発生するものを「コレス骨折」と呼んでいます。
コレス骨折の原因:転倒や転落がきつかけに
転んで勢いよく地面に手を着いたときに 発生します。高いところからの転落が原因 となることもあります。同時に両腕の骨折 が起こることもあります。
コレス骨折の症状:痛み、腫れ、変形が起こる
手首の変形と腫れが現れ、強い痛みを伴 います、骨折部分は、末梢側(手先に近い 側)の骨が手の甲側にずれるため、フォークのような形に変形します。 転ぶ勢いが比較的軽いと、ずれや変形が ほとんどなく、骨折と憲識されないことも あります。 手首の手のひら側には正中神経という指 の感党を支配する神経が通っています。そ の神経が骨折で圧迫を受けると、親指や人 差し指がしびれることもあります。
コレス骨折の診断:レントゲン撮影を受ける
病院ではレントゲン撮影が行われます。 それによって、骨折している部位、骨のず れている程度などがわかります。 コレス骨折の治療:ギプスで3週間固定する 骨折部分が大きくずれている場合には、 骨を元の位置に戻す整復が行われ、それか らギブスで固定します。ずれがない場合 や、ずれが小さくて自然に解消しそうな場 合には、そのままギプス固定して骨を癒合 させます。 手首や手のひら側に軽く曲げ、さらに小 指側に傾けた状態で固定します。固定期間 は通常3週間程度です。 ずれが簡単に整復されない場合や、整復 しても不安定で再びずれるような場合は、 手術によって骨を固定します。
コレス骨折の予防:バランス能力向上と受け身
予防は困難ですが、バランス能力を高め て転倒を防ぎ、受け身をとれるようにする ことが役立つと考えられます。