
突き指は、学校スポーツで球技を行ったときなどに、非常に多く発生しています。しかし、突き指によってどのようなことが起きているのかについては、あまり知られていません。いまだに「引っ張っておけばよい」という認識の指導者もいるような状態です。
突き指とは、ボールや他の選手の体などにより、指に強い力が加わって起こる障害の総称です。指に何が起きているかによって、緊急の対応も、治療も、治るまでの期間も異なります。
突き指の原因:ボールが指に当たって起こる
バレーボール、バスケットボール、野球、ソフトボールなど、球技でボールが指に当たることで起こります。その他に、ラグビーやアメリカンフットボールでは、他の選手との接触や衝突でも起こります。
加わる力の方向は、指を反らす方向(過伸展)か、あるいは横に曲げる方向です。こうしたカが働くことで、靭帯損傷や骨折など、さまざまなタイプの損傷が起こります。
突き指の症状:痛みと腫れが中心
外力が加わった関節に、痛みや胚れが起こります。ときには脱臼や骨折が起こることで、変形が見られることもあります。骨
折や靭帯損傷が起きている場合には、時間が経つと皮下出血(内出血)が目立つようになります。
特に突き指が起こりやすいのは、親指のつけ根の閔節と、人差し指から小指までの第2関節です。
突き指の診断:靭帯損傷の程度を明らかにする
腫れが強い場合や変形を伴う場合には、レントゲン撮影を行い、関節に何が起きているのかを明らかにしておく必要があります。また、どのくらい靭帯に損傷を受けているのか、その程度を明らかにするために、閔節の不安定性を調べておきます。関節を動かしてみて、反対の手と比べると、どのくらい不安定になっているかがわかります。
突き指の治療;固定が大切
現場ではアイシングを行います。変形があり、脱臼や骨折の可能性がある場合には、医療機関で診断後に整復など必要な治療を行います。脱臼の中には、指の先端方向に慎重に引っ張ること整復されることが少なくないため、「突き指は引っ張れば治る」という誤解が生まれたようです。
実際には、治療として大切なのは固定です。突き指といっても、いろいろなケースがあります。関節に何が起きているかによって、治療法も違ってきます。
突き指の予防法;テーピングで再発を防ぐ
急性のケガなので、これといった予防対策はありません。バレーボール、バスケットボールなど、突き指を起こしやすいスポーツでは、きちんとテーピングすることが、再発予防に役立ちます。