子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

腹筋損傷の症状と治療および予防法

腹筋損傷の症状と治療および予防法

腹筋も骨格筋である以上、肉ばなれのような障害が発生することは避けられません。腹筋体幹の支持において重要な機能を果たしているので、損傷によって重大な影響が現れます。
 腹筋は、中央を縦に走る腹直筋と、左右にある腹斜筋群と腹横筋に分けられます。これらの筋肉によって、腹部の前壁と側壁が守られているのです。腹直筋は、胸郭と骨盤(恥骨)を結び、収縮することで両者を近づける役割を果たします。

腹斜筋群は、外腹斜筋と内腹斜筋に分けられます。外腹斜筋は、肋骨から中央へ下降し、腹直筋の筋鞘や恥骨に向かいます。内腹斜筋は、腰部の筋膜から中央へ上行し、大部分が腹直筋の筋鞘に向かいます。
腹斜筋がそれぞれ斜めに走るのに対し、腹筋は横に走り、これらが共同して腹部の側壁を保護しています。これらの腹筋の中で、明らかな筋損傷を起こすのが多いのは腹直筋です。

腹筋損傷の症状:テニスのサーブなどで起こる

 損傷を起こしやすいのは、腹直筋を伸ばしてから急激に収縮させる動作です。テニスのサーブ、スマッシュや、バレーボールのアタックが原因になることがよくあります。これらのスポーツでは、1回の強い動作で明白な痛みが生じる急性の場合と、徐々に痛みが現れてくる慢注の場合があります。
野球のバッティングや、ゴルフのスウィングで、腹斜筋など側壁の筋肉に損傷が起こる場合もあります。

腹筋損傷の診断:いろいろな動作で痛む

他の部位に起こる筋損傷と同じで、筋肉の捌幕部分に痛みが生じます。これが主症状です。腹筋群は、呼吸や日常生活動作で無意識のうちに使われているので、損傷するといろいろな動作で痛みが生じます。
慢性的な経過をたどる場合には、痛みは急性の場合ほど強くありません。そのため、損傷が治る前に運動してしまい、患部に固いしこりができることがあります。
慢性の場合は診断が難しい
 たとえば、「サーブを打った瞬間に痛みが起こった」というように、発生した時点を本人が自覚していれば、筋損傷と診断するのは比較的容易です。ただし、筋損傷を確定診断するためには、超音波検査やMRIなどの画像検査を受ける必要があります。
慢性的こ起こり、損傷部分にしこりを作るタイプは、腹筋に発生した腫瘍との区別が灘しいことがあります。腫瘍と誤診されて手術となるケースもまれにあります。

腹筋損傷の治療:安静にすることで治る

 他の部位の肉ばなれと同じで、腹筋の損傷も基本的には患部を安静にすることで治ります。安静が不十分で、開幕が治る前に筋肉を酷使したりすると、なかなか治らないばかりでなく、しこりができてしまうこともあります。

腹筋損傷の予防:運動前のストレッチング

 運動を行うときにはウォーミングアップを入念に行い、ストレッチングで筋肉を伸ばしておきます。また、疲労がある状態のときには、サポーターやテーピングで保護しておくと、腹筋への負荷を軽減させることができます。
腹部の筋力強化トレーニングも、強い伸長性収縮に耐えられるようにするのに役立つと考えらえます。



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