子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

骨盤裂離骨折の症状と治療および予防法

骨盤裂離骨折の症状と治療および予防法

成長期の骨には成長軟骨があります。この部分が筋肉や腱に引っ張られると、その部分で骨が剥がれてしまう「裂離骨折」という障害が発生します。骨盤の骨にも成長軟骨があり、全身の中でも裂離骨折が起きやすい多い部位とされています。

成長軟骨は骨を成長させて大きくする働きがありますが、ここは成長期の骨のウィークポイントでもあります。また、骨が成長する時期は、骨の長さが伸びることによって、相対的に筋肉は短くなってしまいます。そのため、筋肉は常に緊張した状態を強いられ、骨端核を引っ張ることになります。その引っ張るカも裂離骨折を引き起こす原因となります。

このような状態は、最も身長が伸びる中学生によく見られるもので、骨盤裂離骨折もほとんどは中学生におこります。ただし、成長が早い場合には、小学校高学年で発生することもあります。

骨盤裂離骨折の原因:全力疾走やボールのキックで

多くは全力疾走をしているときに発生します。ボールを思い切りキックするときに発生することもあります。

骨盤には多くの筋肉が付着していますが、上前腸骨較には縫工筋が付着し、下前腸骨韓には大腿直筋が、坐骨にはハムストリングが付着しています。これらの筋肉は、全力疾走をするときに大きなカを発揮したり、筋肉が引き伸ばされて張力が大きくなったりします。これらの力が成長軟骨の強度を超えると、骨端核の骨のかたまりが剥がれてしまうのです。

骨盤裂離骨折の診断:レントゲンで部位と程度を確認

骨盤のレントゲン撮影を、正面と斜めからの2方向で行います。それによって、どこの成長軟骨に才則簒が起きたのか、剥がれた骨がどの程度ずれているかが明らかになります。

骨盤裂離骨折の症状:骨盤の強い痛みがある

裂離骨折の生じている部位に強し痛みを感じます。ときには「ボキッ」というような骨折音がして、走ることができなくなることもあります。

骨盤裂離骨折の治療:状態により「安静」か「手術」

剥がれた骨端核が本来の位置からそれほど離れていなければ、安静にすることで、骨端核と骨盤の癒合が起こります。その場合、1ヵ月ほどは運動を中止します。

剥がれた骨端核が本来の位置より5cm以上離れている場合には、筋肉の付着部を元の位置に近づけるため、手術が必要になります。

骨盤裂離骨折の予防:ストレッチングで柔軟性向上

成長軟骨層が消えて成人の状態になる時期は、部位によって異なり、骨盤の骨では高校生以降の年代になります。ただし、成長期の後期には成長軟骨層が薄くなり、骨化が進むため、裂離骨折は起こりにくくなるようです。そのためか、高校生では骨盤の裂離骨折は少なくなります。

裂離骨折の危険性が高いのは骨の成長が活発な時期ですが、この時期には筋肉の柔軟性が低下しています。筋肉の柔軟性の低下が裂離骨折の危険性を高めているので、関係する筋肉のストレッチングを十分に行うことが予防に役立ちます。大腿部の前側と後ろ側のストレッチングを行うようにします。



Return Top