運動器の障害

鎖骨骨折の症状と治療および予防法

鎖骨骨折は、ラグビーやアメリカンフットボールのような衝突の起こる競技、あるいは柔道などの格闘技でよく発生しますまた、自転車競技では転倒したときに起こることがよくあります

【原因】真横から加わる力が原因

転倒したときに起こるのは、肩鎖関節脱臼とよく似ています、ただし、力の加わり方が違っていて、鎖骨骨折は転倒によってほぼ真横からの力が加わったときに起こります、真横から力が加わると、鎖骨にはたわみが生じますが、その限度を超えた場合に骨折が起こるわけです。 続きを読む


肩鎖関節脱臼の症状と治療および予防法

鎖骨と肩甲骨をつないでいるのが肩鎖関節です。肩での衝突や肩からの転倒が起きた場合に、鎖骨の先端か肩甲骨から浮き上がり、突出してしまうことがあります。

【発生機転】多くは肩からの転倒が原因

鎖骨の先端と肩峰(肩甲骨の外側の端)を結んでいる靭帯か断裂することによって脱臼が起こります。多くは、肩から輯到することで起こっています、やや上のほうから肩峰が押し下げられるように力が加わると、靭帯が切れて脱臼が起こると考えられています。起こりやすいのは、ラグビー、アメリカンフットボール、柔道などです。 続きを読む


肩脱臼の症状と治療および予防法

肩関節は人体の大きな関節の中では最も動きが大きく、その反面安定性に乏しい構造をしています。

スポーツ中に発生する関節の脱臼は、多くは肩関節に起こります。軽く考えがちですが、きちんと治療しないと、脱臼を繰り返すようになり(反復性脱臼)、日常生活にも支障をきたしてしまいます。

【発生機転】タックルや転倒がきつかけに

腕を体の側方に上げた状態から、強い力で後方に持っていかれるのが、最も典型的な肩関節脱臼の起こり方です。たとえば、ラグビーでタックルするときに、このような現象が起きます。スキーでは、後方に転倒して手を後方に着いた場合や、真横に倒れたような場合に起こります。

上腕骨の付け根(上腕骨頭)が完全にはずれた場合を「脱臼」、はずれ方が不完全で関節の接触が残っている場合を「亜脱臼」といいます。大部分は上腕骨が前方にはずれますが、まれに後方に脱臼が生じることもあります。

ケガによる脱臼や亜脱臼とは別に、関節が生まれつき緩いために亜脱臼を起こす人もいます。これは圧倒的に女性に多いのが特徴です。

生まれつき肩関節が緩い人が、肩を大きく動かすスポーツを行うと、容易に亜脱臼や脱臼を起こしてしまいます。 続きを読む


腕神経叢損傷の症状と治療および予防法

腕神経叢とは、頚椎から出た神経の枝が、肩まで行く途中で複雑に合流したり分岐したりして、つなぎ換えられる部位です。この部分に損傷が起きると、肩や腕のマヒが発生します。頚部の神経根の損傷でも似た症状か現れるため、区別が難しい場合があります。

【発生機転】肩が強く引き下げられて起こる

腕神経叢が急激に強く引っ張られることで発生します。ラグビーやアメリカンフットボールで肩から衝突し、肩に対して引き下げるような強い力が働いた場合が代表的な例です。そのとき、頭部が反対側に曲がっていると、神経叢を引っ張る力はより大きくなります。

ラグビーやアメリカンフットボールでは、通常、神経叢の一部だけに損傷が起こります。最もよく見られるのは、三角筋を動かす腋窩神経の損傷です。

すべての神経が切れてしまうような損傷は、オートバイや自転車などによる高速・高強度での衝突で起こります。この場合、腕神経叢が頚椎から神経根ごと引き抜かれるような状態になります。これを特別に引き抜き損傷と呼ぶことがあります。 続きを読む


頚髄損傷の症状と治療および予防法

頚椎は頭を支えるだけでなく、神経の束である脊髄を保護する役割を持っています。脊髄には腕、体幹、脚に向かう神経が集まっているので、頚椎こして頚髄(頚部の脊髄)が損傷を受けると、重大な手足のマヒを引き起こしたり、ときには死亡したりすることもあります。

【発生機転】頚部の過度な前屈や後屈で起こる

ラグビーやアメリカンフットボールのタックルで、頚部が過度に前屈あるいは後屈したときに起こります。また、頭頂部からの衝突でも起こることがあります。

その他、体操競技やトランポリンでの転落や着地の失敗、水泳での飛び込みも原因になります。

水泳の飛び込みによる頚髄損傷は、学校における体育の授業中に発生することがあります。飛び込み角度が深すぎることや、飛び込みに適さない浅い場所での飛び込みが原因となっています。 続きを読む


バーナー症候群の症状と治療および予防法

頭部から衝突して首が後方や後側方に反らされたとき、肩や腕に、灼熱感あるいは鋭いしびれが走ることがあります。これを、アメリカンフットボールの世界ではバーナー症候群と呼んでいます。バーナーで焼かれるような症状があるところから、こう呼ばれているのです。相撲の世界では「電気が走る」と表現しています。

バーナー症候群自体は、特に心配すべき障害ではありません。 続きを読む


頭蓋内出血の症状と治療および予防法

頭蓋骨の中で発生する出血のすべてを含めて頭蓋内出血といいます。出血する部位によって、硬膜外出血、硬膜下出血、くも膜下出血、脳内出血などに分けられます。

【発生機転】脳が動いて血管が切れる

頭部に強い衝撃が加わることにより、頭蓋内のどこかで血管が切れて出血が起こります。スポーツ中に起こる頭蓋内出血の代表的なものは、脳の表面と硬膜(頭蓋骨の内側を覆う膜)との間をつなぐ架橋静脈に起きます。頭部に衝撃が加わり頭蓋骨が急激に回転すると、硬膜と脳のずれが大きくなります。そのため、架橋静脈が引っ張られて切れ、硬膜下に出血が起こるのです。

頭部に硬い物体が衝突して起こる頭蓋内出血では、頭蓋骨の骨折を伴うこともあります。この場合には、硬膜外出血という形をとります。最も重篤なのは、頭蓋骨骨折とともに、脳そのものに損傷を受ける脳挫傷を伴うものです。これは投てきのハンマーの衝突などで起こります。

まれに、頭部への衝撃がないにもかかわらず、スポーツ中に脳内出血が起こることがあります。こうした例の中には、もともとあった脳の血管の動脈瘤が競技中の血圧上昇で破裂したと思われるものや、生まれつきの脳血管の奇形などが原因となるものが含まれています。

【症状】時間の経過とともに悪化する

頭部に衝撃を受けた直後から、意識がないとは限りません。最初は応答可能な状態ですが、時間経過とともに悪化し、激しい頭痛、嘔吐、意識消失と、進行する場合があります。これらの症状は、出血の量が増えることにより、頭蓋骨内で脳が圧迫されることによって起こります。出血が少ないと症状の出現が遅れることがありますが、ほとんどの場合、数分から数時間以内に現れます。

【診断】CTやMRIで出血を確認する

現場で症状の経過を観察し、CTやMRIで出血を確認して診断します。

【治療】血腫があれば取り除く手術

頭蓋内出血が凝われる場合には、吐いたもので気道が詰まらないように昏睡体位を取らせ、救急車を待ちます。

出血がたまって血腫ができている場合には、脳の圧迫を軽減させるため、血腫を取り除く手術が行われます。この治療は時間が勝負となります。時間が経って血腫が大きくなり、脳の損f葛が大きくなると、回復できる程度にも限界があるからです。

【予防】脳の異常の有無をチェックする

タックルや受け身など競技の基本動作を習得することや、頚部の筋力強化に取り組むことが予防に役立ちます。

また、ボクシング、ラグビー、アメリカンフットボールなど、頭蓋内出血の危険性が高い競技の選手は、透明中隔嚢(脳の中央部分に異常な空洞がある)や、くも膜嚢腫(くも膜に液のたまった袋がある)といった異常がないことをチェックします。異常が発見された場合には、これらの競技を行うのは好ましくありません。


脳しんとうの症状と治療および予防法

脳は重要な臓器で、運動するためにも、試合の戦略を考えるためにも、人間らしく生きるためにも、欠かすことのできない働きをしています。

脳しんとうとは、頭に衝撃を受けることで、意識に変化が起こるものの、出血などの明らかな変化がなく、比較的短時間で回復するものを指します。明らかな異常がないものを脳しんとうと診断するため、このとき脳で何が起きているのか、はっきりしたことはわかっていません。

頭蓋骨の中で脳が動いて起こる

頭蓋骨の中には脳脊髄液という液体が満たされ、その中に脳があります。水を入れたボウルに豆腐が浮いている状態とよく似ています。

頭部に強い衝撃が加わると、頭蓋骨の動きに脳がついていけず、脳と頭蓋骨の間のずれが大きくなります。そのため、頭蓋骨の内側と脳の表面をつなぐ血管が引つ張られ、意識障害などの症状が現れるのではないかと考えられています。

衝撃には、前後方向に加わるものと、頭を回転させる方向に加わるものの2種類があります。

タックルなどで選手との衝突で起こる場合は、回転方向の衝撃が多いようです。回転方向の衝撃が加わると、脳はその回転と逆方向にずれます。 続きを読む


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