子供や大人のスポーツ障害の治療の基礎知識

軟骨の障害~骨端症、離断性骨軟骨炎

軟骨は骨に比べて再生能力が低く、損傷を受けると元通りに治りにくい組織です。

骨端症

スポーツ中に発生する軟骨の障害で、特に成長期の選手によく見られるのは、成長軟骨部の損傷です。これらを総称して「骨端症」といいます。

膝に発生するオスグッド病が最も有名ですが、その他にも、かかとの骨に発生するシーバー病、足の中足骨頭に発生するフライパーク病など、多数の骨端症があります。これらの病名は、いずれも研究者の名前から取られたものです。

成長期には骨の両端の関節より少し離れた部位に成長軟骨層があります。この成長軟骨より中心側を骨幹部、成長軟骨より先端側の部分を骨端核といいます。

骨端症が発生するメカニズムはさまざまです。骨端核に付着する靭帯や腱で引っ張られて成長軟骨層が引き裂かれるタイプもあれば、荷重や筋力によって圧迫力を受けて起こるタイプもあります。

たとえば、オスグッド病は、大腿四頭筋の引っ張る力が、膝蓋腱を介して脛骨の骨端核に作用することで起こります。シーバー病は、足底腱膜やアキレス腱の張力により、骨端核が圧迫を受けて発生します。成長軟骨層が張力を受けたときのウイークポイントになる成長軟骨層のために、血管が伸びることができず骨端核が血流不足になる、といった原因もあります。

骨端症は、強い負荷がかからないようにスポーツの量や強度を調節することで、基本的には落ち着きます。ただし、中にはペルテス病のように、大腿骨の骨端核がしてしまう危険性があるものもあります。この場合には、体重がかからないようにする厳重な管理が必要になります。

離断性骨軟骨炎

関節を構成する向かい合った骨の表面は、関節軟骨で覆われています。成長途上の子どもは、関節軟骨も厚くなっています。離断性骨軟骨炎は、関節軟骨とその下にある骨の一部が周囲から剥がれ、関節炎症状を起こす障害です。

剥がれ方によって、①骨軟骨片に浮き上がりがないもの、②滑軟骨片が浮き上がって関節表面に突出しているもの、③骨軟骨片が関節表面から完全に離れているもの、という3タイプに分類できます。

完全に離れた骨軟骨片は、関節内遊離体あるいは関節ネズミと呼ばれています。関節の中を動き回り、いろいろな部位にはさまって関節の動きを妨げます。

このような骨軟骨の離断がなぜ起こるのか、必ずしも明らかにはなっていません。ただ、体重のかかる下肢の関節では、ジャンプ、着地、方向転換など、強い衝撃が加わることが原因ではないかと考えられています。最も発生しやすいのは膝ですが、足関節、肩、肘に発生することもあります。

骨軟骨片の浮き上がりが軽い場合や、直接に接触することがない部位で起きている場合は、関節に水がたまるなどの関節炎症状くらいしか現れず、この病気独特の症状でないため、見逃されることがあります。

この股階であれば、骨軟骨片の底に細い針金で穴を開けるドリリングという治療を行い、骨の中心からの血行を促します。

骨軟骨片が剥がれて関節内遊離体になっている場合には、関節内ではさまる陥頓症状を引き起こす危険があるため、取り除く手術が必要になります。

関節友面の向かい合う形が変化してしまうと、関節の動きに支障が出ます。可動域が制限され、伸ばしきれない、曲げきれないなど、変形性関節症のような症状が現れることになります。

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